人生で初めて仕事をサボった。といっても無断欠勤した訳ではないし。今から来てくれ、という電話は何度もあったのに、今から休みますは言ったことなかった。めちゃくちゃ暑い中。一時間以上も原付に乗って、普段行かない本社まで行かねばならず、もうなんか、帰ってビールとか飲みたいなあ、と想像しはじめて、ほとんど着いていたのに、その頃には決心がついて、休むことにした。私、バイトだし、やりすぎなんだよな。スーパーで買い物して、髪を切りに行き、料理しながらビールを飲んで、仕事終わりの恋人に会うために出かけた。全部さっき決めたことを実現させてやったぞ。

私は本当に元気になったな、と思った。昔なら絶対にこんなふうにできなかった。決められなかった。疲れていても、わからなかった。泣きながらでも働いていたし。疲れたなと思って休めたぞ、むしろ私はエラい!一生薬飲んでもいいやと思ってたけど、断薬とかせめて減薬とか考えるようになり。でも慎重にならないとな。

夜、お酒を飲んだ帰りに歩いていると、恋人の大学時代の友人と出くわす。全員でむちゃくちゃに照れたようなおかしな感じになるが、人が関わって現実になるようで嬉しかった。翌日、丁寧な暮らしを見つけにIKEAに寄った。私が食べ過ぎのせいかお腹がポッコリしていて、マタニティっぽく見えなくもないワンピースだったのだけど、彼氏が「名前なににしよっか?」という冗談をかましてきたので、ええ…?それありだったのか…?と思い、赤ちゃんグッズを手に「これ可愛いね、って、まだ気が早いかな?」と返した。一歩間違ったら洒落にならないのでは。それから妊婦という設定でまわった。頻繁に「座る?体しんどくない?酸っぱいもの飲む?」と声をかけてくるのが可笑しい。映画の話であれはおかしかったと怒っていたら、妊娠中だから気性が荒いのかな…と言われる。私達は空想ばかりしている。

実際死ぬほど気が早く、次の部屋の更新で一緒に住むのだとか言って物件見てるところまではまだいいとしても、私は部屋の整理まで始めた。ものを猛烈に手放している。お金の計算をして引越し費用を貯め始めるなど。野球観戦にプールに夏祭りで花火。今年の夏で死んでもおかしくない。