神宮球場でグッズを売るバイト

暖かくなってきたから、外から虫の鳴く声がする。これから夏になって、電車から降りたりすると、ここらじゃ草の匂いと一緒に一斉に虫の鳴く音が聞こえてくる。

子供の頃は、夏になるといつも野球中継をテレビでやってた。父がそれを夕食の時に毎晩みてた。それがやだったなあ。今じゃあの音が恋しいな。二十歳前後の時、短期間だけ、神宮球場でグッズ販売のバイトをやっていたことがある。球場の中には入れない。外のテントか、中のぐるっと回れるところでヤクルトのグッズを売る。歓声だけが聞こえてくる。ビールを売る子たちは高校生だったなあ。夕方になると制服でやってきて、10キロぐらいの重さを背負って「行ってきまーす!」なんて言って、駆けていく。眩しいったらなかったよ。金本って人が引退するのを見たよ。すごいグッズが売れたんだ。楽しかったな。花火が上がったり、例の傘さしたり。全部音だけしか聞こえないけどね。お祭りの音みたいの。土砂降りになったら、試合中止。

野球のことは何にもわかんないのに、それ以来、一応、なんかあったらヤクルトファンってことにしてるんだよ、私は。気軽に言ったらまずいのかな。でも、キャップ持ってるし、去年も試合、見に行った。今年も行くよ。あのソーセージ食べるんだ。ルールは未だに、理解できてない。