大きな駅の交番の横で友人を待っていたら、ほんの五分位の間に何人もの人が道を聞きに来る。若い人も、お年よりも、外国の人も、みんなどこかへ行こうとしてる。お巡りさんは、20代くらいの人と、もう結構おじいちゃんの二人。全部頭に地図が入ってそうだ。無事、目的地に行けるのか?横でみてて思う。

春だからか?調子の良さと悪さが交互にやってくる。「去年の自分に今日が晴れてるよって教えてあげたい」と思いながら桜を見上げ、感極まりながら泣く翌日に、電車でたったひと駅が耐えられず、「こんなんじゃ、私にできる仕事なんてひとつもない」と思いながらまた泣く。なんでも春のせいにしてほんと悪いが。

グズグズしながら、電車を乗り過ごして、東京駅で乗り換えた。気を落ち着けて座ってしばらくしたら、隣のおばあちゃんに、「☓☓駅には、どっちで乗り換えたらいいですか?」と話しかけられた。音の出ていないイヤホンを外して、もう一度駅名を聞き返すと聞いたことのない駅だった。私に親切をさせてくれるチャンスがある、と思った。スマホで調べると、京成線だった。一回駅を出なきゃならないけど、ちょうどその駅の乗り換えだけは詳しかった。でも、一応、出たら駅員さんにも聞いてくださいね、と言った。手に持っている新幹線の切符が名古屋からで、名古屋から来たんですか?と聞くと、そう、息子のところから。TOYOTAでね、孫がたくさんいてね、と家族の話をしてくれた。孫の大学の話まで嬉しそうにする。それはいいですね〜と私もうなずく。実際いい話で。横で立っていた男の人も、話を聞いて笑ってしまっている。しばらくして、ありがとう、と言っておばあちゃんは電車を降りていった。電車の中から見送った。神様でも見てんのか?